約 3,531,646 件
https://w.atwiki.jp/4423/pages/2871.html
上部タグ未削除 編集する。 2021-12-08 18 49 54 (Wed) - ef - a fairy tale of the two.とは、minori制作のアダルトゲーム。 リンク内部リンク 外部リンク 討論用 情報収集 編集者用ミニ編集参加(文の提供・嘘・誤字等) 出典、参考 リンク 内部リンク ef - a fairy tale of the two. ef - a fairy tale of the two.の登場人物 ef - a fairy tale of the two.の用語・設定・場面・解説 外部リンク ef - a tale of memories. 公式サイト ef - a tale of melodies. 公式サイト - TOKYO MX ef - a fairy tale of the two. 公式サイト - メディアワークス 上へ 討論用 名前 コメント すべてのコメントを見る 編集する。 2021-12-08 18 49 54 (Wed) - 情報収集 トラックバック一覧 trackback テクノラティ検索結果 #technorati 口コミ一覧 #bf 関連ブログ一覧 #blogsearch リンク元 #ref_list 上へ 編集者用 ミニ編集参加(文の提供・嘘・誤字等) 出典、参考 上へ
https://w.atwiki.jp/switchsoft/pages/2247.html
Zombie Army Trilogy FPS・TPS ホラー ゾンビ ローカル通信プレイ人数× 2 ~ 4 インターネット通信プレイ人数× 2 ~ 4 4,980円(税込)5.0GB カルトホラーシューターの名作がNintendo Swtichを襲撃だ! 3つのキャンペーン、ドキドキのホードモード、強烈なホラーアクションを体験せよ! Zombie Army Trilogy(ゾンビアーミー トリロジー)は緊張感あふれるサードパーソンシューターゲームだ。 3つのキャンペーン、ドキドキのホードモード、強烈なホラーアクションを体験せよ! 第二次世界大戦の末期、驚がくのゾンビ兵士の軍団がヨーロッパ全土を脅かさんとしていた。 1人で立ち向かうも良し、仲間と協力するも良し、ゾンビの脅威から人類を救え! 壮大なる3つのキャンペーン、魔がはびこる15のミッションを戦い抜け。 ソロプレイもアリ、オンラインまたはローカルでの2~4人協力プレイもアリだ。 君は立ちはだかる困難を乗り越えられるか? 究極のホラーパッケージ - 身の毛もよだつキャンペーン、強烈なホードモード、全て1~4人プレイ対応 魂震えるガンプレイ - ジャンル最強のライフル弾道、強力な武器や死の罠の数々でゾンビどもを葬り去れ!全てをさらすX線キルカメラで、弾丸がゾンビの頭蓋や四肢を切り裂くさまを眺めるがいい 様々なカスタマイズ要素 - プレイアブルキャラクターは8人、装備も難易度も自由にカスタマイズ可能 お知らせ 本ソフトには、インターネットに接続できる環境とNintendo Switch Onlineへの加入(有料)が必要なモードや機能があります。 メーカー RebellionInteract 配信日 2020年5月28日 対応ハード Nintendo Switch セーブデータお預かり対応 対応コントローラー Nintendo Switch Proコントローラー プレイモード TVモード, テーブルモード, 携帯モード プレイ人数× 1 ローカル通信プレイ人数× 2 ~ 4 インターネット通信プレイ人数× 2 ~ 4 対応言語 日本語, 英語, 韓国語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字) レーティング CERO Z 暴力 ゾンビアーミートリロジー発売日に買って今更クリアしたけどソロプレイはめちゃくちゃ疲れるゲームだったわ 雰囲気怖いしエイムアシスト無いのにヘッドショット前提のゲーム性で辛かった -- 名無しさん (2020-07-01 15 43 37) ゾンビアーミーはスナイパーエリート外伝 -- 名無しさん (2020-12-26 04 09 26) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mirrors-edge/pages/57.html
Shard Two 規定タイム ☆ 1 15 ☆☆ 1 07 ☆☆☆ 1 02 Shard Oneの規定タイムクリアで解放。 参考動画 編集コメント ルートをトレースし、大きなミスが無ければ。グッドラック。 -- 名無しさん (2009-06-05 07 02 36) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/byfcarmy/
F.C.ARMY 合計: - 今日: - 昨日: - トップページの合計: -
https://w.atwiki.jp/bemani2sp/pages/1385.html
GENRE TITLE ARTIST bpm notes CLEAR RATE DANCE POP XANADU OF TWO T.Kakuta With Starving Trancer + 森永真由美 160 88%(2013/10/26) 攻略・コメント 階段、二重トリル、隣接同時等 7段に挑戦するなら最低でも易クリアくらいはしておきたい -- 名無しさん (2010-11-18 12 09 22) ランダムを入れると対称地帯が難しくなるので正規鏡推奨 -- 名無しさん (2010-11-27 19 17 24) 道中はかなり楽だが運指によってはイントロとラストがかなり厳しいはず。V2の練習になるかも -- 名無しさん (2011-10-24 00 03 48) 正規はなんだかとっても良譜面 -- 名無しさん (2011-11-23 13 58 46) フルコン狙いは最初と最後の交互地帯に入る時を注意。よくそこで切れる。 -- 名無しさん (2011-11-23 15 10 44) 運指的に難しい配置が多い、つまり非常に練習になる譜面。後半もそこそこ難しいけど回復はしやすいので七段辺りの人はランダムで一曲目とかに使っても良いかも -- 名無しさん (2013-01-16 10 59 57) 七段だと正規はともかく、ランダムで一曲目なんてとても無理だと思います。少なくともランダムは八段上位はないと安定しないのでは。 -- 名無しさん (2013-01-16 13 30 23) 六段で正規易、七段で正規難。まだ七段取り立てだけど乱易でいつもやってます。落ちることはないが、二重トリルは外れるととても練習になる -- 名無しさん (2013-09-04 13 45 58) 遅い二重トリルなのでトリル系譜面のガチ押しスコア狙いの練習になる良譜面。皆伝クラスの人でもやりこむ価値あり -- 名無しさん (2014-04-25 06 47 04) ZED穴の下位互換?スコア、フルコン共に正規一択。乱でV2灰の練習にどうぞ -- 名無しさん (2014-09-06 21 56 40) R乱はアリか? -- 名無しさん (2014-11-24 04 31 33) ↑V灰とかゼファー灰とかこの曲みたいなのはR乱は有りだと思うよ。そりゃランダムの糞当たり譜面に比べれば当たりじゃないけど、高確率で正規よりはマシな譜面が引ける。 -- 名無しさん (2014-11-24 17 31 54) 所々押しにくい箇所もあるが、✩10としてはそこまでムズいって程でもなく練習にも良さそうだし、すごい楽しい譜面 -- 名無しさん (2014-12-31 02 22 50) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/bemani2dp/pages/3717.html
GENRE TITLE ARTIST bpm notes CLEAR RATE ALL MIX VJ ARMY good-cool 135-160 872 ?%(yyyy/mm/dd) 攻略・コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mioritsu/pages/788.html
ぼくらは家に帰るところ ぼくらは家路を辿るところ ぼくらは家に帰るんだ The Beatles 『Two of us』 ■ 学校を休むことにした。 律が事故に遭って入院してるから、多分学校へ行っても何もできないと踏んだからだ。 私はベッドの中に潜って、寝たり起きたりを繰り返していた。 困惑もしてるし、当然心配もしてる。だから起きている間は、ずっと律の顔が頭に浮かんでいたし、その度に胸が痛くなるのだった。 それは例えば、夜に切なくなったりするのとは全然違う。 不安の痛みだった。 静かな部屋。平日の昼。 ママには体調が優れないと言ってある。 ほとんど仮病だけど、でも、律への心配だけで体調が崩れたのと同じようなものだった。 何にも力が入らない。 何かをやろうという気にもなれないし、やっていても多分、律へ意識が逸れるだろうから。 だからこうやって、ベッドに倒れて寝ていた方がいいんだ。 何のやる気にもならないもん。 ……――。 ■ 日曜日のお昼頃、律は事故に遭った。 もう過ぎ去ったことだから何とでも言えるけど、私はもうその時のことを良く覚えていない。 確かおばさん――律のお母さんのこと――が、私に電話をしてくれたんだった。 私は宿題をやっていたけど、すぐにママに言って車で病院に駆け付けた。 今思い返してみると、あの時の私の焦り方は尋常じゃなかった。 車が信号で止まったら、ドアを突き破って走り出したいと思ってたし、病院に入ってからも、騒いじゃ駄目だってわかってるのに、私は取り乱したりして……。 律は日曜日のお昼、信号無視の車に突っ込まれた。 幸運にも、というか律の運動神経の良さからか、突っ込まれる寸前にジャンプして受け身を取り、致命傷を免れたらしい。 右手の小指の骨折と、足の捻挫、あといくつかの擦り傷程度で済んだそうだ。 お医者さんによれば、命に別条はないとのこと。 ならなんで、私がこうしてベッドでうずくまっているかって? それはできれば考えたくなかったけど。 律は意識不明だった。 命に別条もないし、目覚めないはずがないとお医者さんは言う。 だけど、律は目を覚まさなかった。 死んだわけじゃない。 律はちゃんと、血色のいい顔で寝息を立てていた。はっきりとそれは病院で見た。 緑の患者服に包まれ、カチューシャもはずされていたけど。 でも、そんな酷い律でも、目は覚めるとお医者さんは断言した。 それなのに目を覚ましていなかったんだ。 瞼はしっかり閉じられていた。 もし律がいつもみたいに笑ってくれてたら。 『なんだよ澪、心配してくれたのか?』って。 たとえ体に傷があっても骨折してても、私が病院に駆けつけた時、そんな風に私をからかってくれると信じてたのに。 だけど、期待は崩れ去って、病室では聡がわんわん泣いて、おばさんとおじさんが静かに律を見降ろしてるだけだった。 私は耐えきれなくなって、いろいろと考えて……不安で不安で、もういろいろ訳わかんなくなっちゃって。 だから日曜日のことは、あんまり覚えてなかった。 確か、律の寝ている横で私も一夜を過ごしたんだっけ。 それで月曜日の朝に家に帰ってきて、今こうしてベッドに潜ってるんだ。 律の寝顔は、まるでお昼寝でもしてるみたいに穏やかだった。 だから、律が死んじゃうのかもって不安はあんまりなかった。 だけど、代わりに早く目覚めて欲しいというじれったさと、早く律の笑顔がみたいなっていう願望ばかり溜まって。 そして、もしかしたら……とやっぱり怖いこともあって。 それが結局不安の要素にすり替わっていたんだ。 だから何にもやる気になれなくて、元気も出なくて……だからこうしてベッドに倒れてる。 もし律が目を覚ましていたら、一緒にいたのに。 律が眠ったままで意識不明なのに、その隣に私がいるのは心細かった。 怖かったんだ。律の意識が戻ってないのを、嫌が応でも認識しなきゃいけないのは。 傍にいたかったけど、大好きな人が眠ったままなのを間近で見続けられるほど、私は強くもなんともなかった。 せめて、律が起きてくれればって。 部屋が静かすぎて、高い音が耳に響いていた。ベッドの中でもぞもぞする。 「律……」 朝から、何度名前を呼ぶんだ。 さっきも考えたけど、いつもの夜に、急に律に会いたくなったり、切なくなったり、律を想うと胸が苦しくなってりする。 あれとは違うけど、律を想って苦しくなってるのは同じだった。 痛くて苦しくて、辛い。 名前ばっかり呼んでも、何にもならないって解ってるくせに。 溜め息が部屋にこだまする一方だ。 枕元の携帯が震えた。私はゆっくりと手にとって、開く。 ムギからだった。 『皆で相談して、放課後病院に行ってみることにしました』――……。 昨日の昼から、いろんな人からメールをもらった。 唯やムギ、梓、和も。とにかく知り合いからたくさんメールをもらった。 だけど決まって掛けてくる言葉は、『大丈夫』とか『元気出してね』とか、そんな明るい言葉だった。 ありがたかったけど、私はその言葉を見る度に、逃げ出したい嫌悪感に包まれた。 気持ちが落ち着いていなくて、苛々してるだけかもしれない。 大丈夫? 大丈夫なわけがない。 そんなはずがない。律が事故に遭って怪我して、眠ったままで……そんな状態なのに、大丈夫なわけがないじゃないか。 もちろん皆は私のこと心配してくれて、ホントに私が落ち込んでるんだって知ってるから。 だからこそ、そんな風に優しい言葉を掛けてくれるのもわかってる。 だけど、ごめん。 私は今、皆の優しさに笑顔で答えられるほど強くもないんだよ。 大丈夫じゃないんだよ。 大好きな律だから。律なんだから、大丈夫じゃないんだ。 ムギのメールの字面を見つめた。 皆っていうのは、唯と梓のことだろう。 三人は放課後、律のいる病院に行ってみることにしたようだった。 日曜日の昼に律は事故に遭った。 私は混乱していたから、律が事故に遭ったと皆に報告したのは、夜になってからだった。 だから、三人はまだ眠ったままの律に会っていないことになる。 今日の放課後お見舞いにやってくるようだ。 だったら私も、放課後に律に会いに行く。目が覚めてるといいな。 『私も行く。四時半に病院の入口で待ち合わせ』。 それだけムギに送り返し、私は携帯を閉じた。 深い溜め息を吐く。 眠気が酷い。 瞼の重さは朝からずっとだった。 これで何度目かわからないけど。 私は祈るしかないんだ。 神様に。 律が無事でありますように。 律が早く目を覚ましますようにって。 ■ 澪――……。 暗闇の中で、声がした。 多分、私は眠ってる。世界は黒かった。 だけど、はっきりと声は聞こえた。 私のこと、呼んでるんだ。 それも、よく馴染んだ声で。 澪ー、起きろって。 えっ? 私は、静かに瞼をこじ開けた。 ベッドの横に、律が座っていた。 ■ 「えっ……?」 私は体を起こして、両目をこすった。 寝ぼけてるんだろうか。 視界が安定しなかったし、まだ夢を見てるんだと思った。 「やっと起きたか澪」 ベッドの横に座っていた律が、そう言いながら微笑んだ。 律はいつものブレザーを着ていて、カチューシャだって付けている。 本当に普段からよく見るような、何の変哲もない律だった。 だけど私は目をこすらざるを得なかった。 そして、目の前の光景が夢だと何度も疑った。 だって、そんなのあり得ないから。律は、病院だもん。 だけど、その声も顔も何もかも、それは紛れもなく律だった。 「律……?」 「うん」 「ホントに?」 「私だよ」 律は白い歯を見せた。 私は泣きそうになって、なんで律がこんなところにいるのかわかんなかったけど、そんな理由なんてどうでもよくなって、布団を吹き飛ばして律に抱きつこうとした。 だけど。 私の体は律に触れられず、勢いのまま床に転げ落ちた。 思いっきり床に倒れて、勢いもあったから当然全身を強く打つ。 痛みが響いた。 「いてて……」 ――!? なんだ? 私は今、律に飛びついたはずだった。 だけど、私は今、律に包まれずに床にのたうち回っている。 おかしかった。私は律に振り返った。 律は、私を見ていて、さっきよりも悲しそうだった。 「澪、今さ、私……幽霊なんだ」 えっ――? 二人で並んでベッドの縁に座ると、律は淡々と語り始めた。 目が覚めた律は、なんと病院のベッドで眠っている自分を見下していたらしい。 つまり、体が分離したと思ったようだった。 だけど実際は違ってて、律は何と実体のない幽霊になっていたらしい。 物に触る触れないは自由。 つまり、物に触ろうと思えば触れる、触ろうと思わなければ触れるという、実体のない存在になってしまったというのだった。 「律は……死んじゃったの……?」 ベッドの上で、向かい合って座った私たち。 私が一番不安に思うのはそれだった。 幽霊って、人が死んじゃったら、魂がなるものじゃないの? だったら律は――……。 不安が頭を過るを通り越し、心臓を鷲掴む。 ゆっくりそれを言葉に出すと、律は静かに答えた。 「いや、死んでないよ」 「で、でも……」 「ホントに死んでないんだ。あと、これからも多分死なないよ」 「な、なんでそんなこと、わかるんだよ」 「んー、なんでだろ。まあ私の体だからな。はっきりとわかるんだ。私は絶対死なない。それだけは断言できるんだ」 だったらなんで、そんな風に幽霊になって現れてるんだ。 わけがわかんないよ。 死なないってわかってるなら、普通に目覚めてよ。 この言いようのない心配と不安は、私が全然予想しなかったものだった。 次に律と話す時は、当たり前の日常に戻れた時だと思ってたから。 それに、あまりにも非現実的な展開すぎる。 生きているのに幽霊だなんて。 私はもう一度手を伸ばして、律の頬を触ってみようとした。 触れなかった。 まるでホログラム映像で映し出されてるように、すっと私の手が律を通り抜けるのだ。 よく見れば、律の体もほんのり透けている。 『よく見れば』だから意識しなければちゃんと実体のあるいつもの律にしか見えない。 だけどホントに注意深く見れば、少しだけ透けていたのだ。 「どうするんだよ、これ」 「どうもしない、かなあ。正直私も意味わかんないんだ」 律も目を伏せた。 私だけじゃなくて、一番混乱してるのは律本人だろうということだった。 窓から差し込む昼下がりの光が、律の顔を照らす。 だけど律の表情は、さっきまでの微笑みを失くし陰りに満ちていた。 さっきは、無理に笑ってたのかな。 そうやって無理に笑ってなきゃ、やってられないくらいに不安に思ってたりするのかな。 それはきっと私も同じなんだよ。 「とりあえず、状況を整理しよう」 私は言った。 言ったけど、特に整理するような事柄もないことに気付く。 それはきっと、痛い沈黙と不安を紛らわすその場凌ぎの繋ぎ言葉だったのだ。 とにかく何か話題を提示しなきゃ、その不安の渦に巻き込まれそうだったから。 「律は今、幽霊」 「うん」 「私は触れない」 「うん……」 「律は? 律の方から、私に触れないのか?」 やってみると言った律は、ゆっくり指を私の顔に伸ばした。 ドキドキしたけど、結局すり抜けて終わる。 やっぱり駄目だったと、私も律もまた落ち込んだ。 律は今実体がない。だったら、律も私に触れないのはちょっと考えればわかったはずなのに。 でも、やっぱり期待してしまっていたんだ。触れ合えることに。 「……物は持てるんだよな?」 私は近くに置いてあった枕を律に渡した。 軽々と律はそれを抱き締めて見せる。 どうやら『物』には触れるらしい。 律が言うには、『触ろうと思えば触れる』『触ろうと思わない、すり抜けようと思えば、すり抜ける』らしい。 律は枕を抱き締めていたけど、ほい、という掛け声と共にすっと枕をすり抜けて見せた。 枕を抱き締めていた腕がそれを通り抜け、交差する。 なるほど……ただ、それは私を慰める事象にはなりえなかった。 「病院で寝ていた自分の体には触れたのか?」 「いや無理だった。なんかさ、人に触ろうとすると駄目なんだ」 つまり、というかそのままだけど――どうやら人間には触ることはできないようだった。 話を聞いてるだけは普通だったのに、だんだんと私を蝕んでいく事実。 それでも、なんとか深く考えないようにしなくちゃやってけない。 また、静かになった。 その時、携帯が震えた。開いてみると、唯だった。 「誰?」 「唯だ。『そろそろ着くよ』……って、ああっ!」 「どうした!」 私は携帯の画面の右上に表示された、小さな時計を見た。 三時五十分……寝てて全然気がつかなかったけど、そういえば唯とムギと梓の三人と、律の病室に行くって約束してたんだった。 何にもやる気でないし眠たいしで、忘れてた。 そろそろってことは、もうすぐ病院に着くってことだ。 しまった。もう約束まであと十分。走っても全然間に合わない。 病院に行く約束をしていたんだと律に告げる。 「行っても意味ないぞ。『この』私が幽霊として存在してる間は、多分本体は目覚めないだろうし」 律が自分の胸元をポンポンと叩いた。 「どういうこと?」 尋ねてみると、律は語りだした。 よくよく考えればわかることではあるけど、今目の前にいる律は実体のない幽霊。 つまり律の魂なのだ。 だから、『律』という存在に必ずなくてはならないものだし、魂がなければ人は動かない。 今律は、体の魂が分離して、体は寝ている。そして魂が私の前にやってきている状態なのだ。 二つで一つの存在が、今二つに分かれている。だったら、体だけが目覚めるはずがない。 「じゃあ魂のお前が、寝ている律に入り込めば起き上がるんじゃ?」 そういう系の漫画や映画――もちろん無理やり律に見せられたもの――では、意識不明の体に魂が入り込んで復活したのを見たことがある気がする。 あれと同じ要領で、今目の前にいる魂だけの律が、寝たきりの律に入りこめば、それは本当の『律』として復活するんじゃないのかと思ったのだ。 私がそれを言うと、律は首を振った。 「もちろん試したさ。でも、駄目だったんだ」 「そ、それって……もう、本物の律は目覚めないって、こと?」 「ち、違う。そうじゃない。ただ、よくわかんないけど……体だけの私とは、『まだ』一緒になれないだけで、このままずっと魂ってわけじゃないと思うんだ」 つまり、いつかはまた、律が本物の律として――ちゃんと触れる、実体のある律として目覚めるということ? そうだとしたら、私は安堵せざるを得なかった。 「『タイミング』があるんじゃないかって」 「『タイミング』?」 「そ。まだ体には入り込めないけど、きっとその時が来たら自然に目が覚めるよ」 「根拠は?」 「んー、これも勘かな。でも、多分そうだぜ。やっぱり体と魂は二つで一つだし、感覚とかでそういうのわかっちゃうんだ」 タイミングってのが来なければ、律は目覚めないのか。 逆を言えば、タイミングが来なければ律はこんな風に、不安定な存在のままだということだった。 律の言葉を疑ってるわけじゃない。自分の体のことだから、例え魂でも、そういうのわかってるんだって私もわかる。 律が一番、自分が心配なのも知ってる。 だけど、絶対に目が覚める保証はあっても、安心する半面、ちょっとだけ不安が残ってるのも事実だった。 「だから、病院へ行って私のお目覚めに期待しても、今日明日は目覚めないってこった」 律は明るく言った。やりきれない。 「そっか……なら、どうしよう」 「だけどもう唯たちは病院に着いちゃうんだろ?」 「うん」 「なら行くしかないじゃん」 確かに、今からやっぱり無理と送ったら、唯たちは無駄足になっちゃうし。それに、唯たちは『律が今のところは目覚めない』ということを知らない。 知ってるのは私だけだ。だから、唯たちには『病院に行かない』という選択肢を選ぶ理由が存在しない。 私にはある。律が目覚めないのなら行っても行かなくても同じな気がしてくるのだ。 私が病院に行くのは、律が起きてるかもという期待を持ってだから。 だからあらかじめ律が目覚めていないと知っているなら、行く理由はそれほどない気もしてくる。 でも、だからって行かないのも無責任だよね……。寝たきりの律の体だって心配だし。 「わかった。行こう」 「でも急がないとやばくないか」 冷静にしてたけど、よくよく考えればもう約束の時間じゃないか。 私は大急ぎで制服に着替えると、家を飛び出した。 律は幽霊だったので、なんと空中を浮かびながら付いてきた。 律には足があった。それなのに空中を飛ぶなんて……パンツ見えるぞ。 じゃなくて、なんか違和感。 今でも私は、律が幽霊であることが不思議でならなかった。 なんだろ、この気持ち。 よくわかんないよ。 戻|次
https://w.atwiki.jp/tvsponsor/pages/1279.html
フジテレビTWO 『韓国ドラマ (フジテレビTWO)』は別ページ参照 『寺内シモンの肉専門チャンネル』は別ページ参照 終了番組は終了番組 (フジテレビTWO)を参照
https://w.atwiki.jp/mioritsu/pages/793.html
「結局サボリか」 「仕方ないだろ。今から行っても間に合わないしさ」 私と律は、屋上で町を見下ろしていた。突然先生が入ってくることもあるかもしれないけれど、でも、なんとか言い訳すれば逃れられると思った。 それに、無理に授業に間に合おうという気にもならなかった。今はあんまり体育みたいな運動をしたいわけじゃなかったから好都合だ。 こうやって、二人でのんびりしてる方がちょうどいい。正直、二時限目からも出たいという気持ちはそれほどなかった。 「澪」 「何?」 私たちは屋上のフェンスに腕を乗せて、風を受けてる。 青を見つめてる。 律が今どんな顔をしてるか、私には見えなかった。見たらまた、なんか泣いちゃいそうな気がしたから。 「しりとり、しよっか」 「なんだ突然。いいけど」 「じゃ、私からな」 「うん」 「きりん」 私は律を見た。律は笑ってるような、ちょっとやっちゃったなとでも言いたげな焦りの表情を見せていた。 しりとりしようって言って、すぐ終わらせるか普通。 そう突っ込もうと思ったけど、なんだか馬鹿らしくなって、私は吹いてしまった。 「ぷっ……あはは、ははっ!」 「おっ」 「……なっなんでしりとり吹っ掛けてすぐ終わらせるんだよ、くくく……」 笑いたくはなかったけど、でも、笑ってしまった。 律もそれにつられて笑った。 もう笑っちゃえと思った。 そのまま流れに身を任せて、ずっと笑ってた。 なんかもう、この頃全然笑ってない気がしたから、とにかく笑った。 涙も出た。 でも、悲しい涙じゃなかった。楽しくて、笑ってばっかりだから出た涙だった。 「あーおかし。ふふっ……なんできりんなんだよ、はは」 「澪笑いすぎだろ」 「だって、律が」 多分、笑わせてくれたんだろうなって思った。 律はいっつもそうだった。 私が緊張してたら、笑わせてほぐしてくれるし、泣いてたら笑わせてくれる。 今度もそうだった。泣いてなんかいないけど、私の心は少し突き詰まってた。 律はいっつもそうなんだ。私の心を柔らかくしてくれる。 多分、さっきのもそうなんだって。 笑いが落ち着いて、私は言った。 「……ありがとな、律」 「えっ?」 「幽霊でもさ、律が傍にいてくれるだけで、随分助かるよ」 悲しいことばっかりだけど、触れないけど。 幽霊の律が、私の傍にいてくれるだけで、私はまだ救われてる。 少しだけ笑顔を取り戻せてる。 いろんなことがあって、悲しかったり辛かったりしても、幽霊の律はちゃんと傍にいてくれるんだ。 もちろんその、悲しいことっていうのは、律が事故に遭ったり目が覚めなかったり、幽霊になったことではあるけど。 矛盾してる。 私は律が幽霊になったことに悲しんでて、律が幽霊になったことで少しだけ安心しているんだ。 「あ、えーっと、ま、私が澪の傍にいるのは、と、当然というか」 「照れるなよこんな時に」 「う、うるせ」 律はフェンスに手を乗せて、顔を赤くしながらそっぽを向いた。可愛いと思った。 抱き締めたい。 律が幽霊になって、何度目なんだろう。 失ってから初めて気付くこともある。 そんな歌とか台詞、聞き飽きたはずなのに。 私も知ってしまった。 いや、違う。 失うことを受け入れたら駄目なんだ。 私が律を今、こんなにも愛おしいと思うのは……。 やっぱり、失ったからなのかもしれないけど。 『触る』ことを、失ったから愛しくなったわけじゃない。 いつだって愛しかった。 そのはずなのに。 今は無性にも、心が疼く。 一つ言えることは。 もし律が幽霊にならなければ、こんなにも愛しくはならなかったかって言われたら、絶対そうじゃないんだ。 確かに『触る』ということができなくなったから、いろんなことをやりたいと思うようになった。 抱くとかキスとかいろいろ。そういうのやりたいと思う。 でも、それは別に律が幽霊になったからやりたいと思うようになったわけじゃない。 いつだって私は律とそういうことを望んでいたし、結局のところ、幽霊だろうとなかろうと、私は律を好きなのには変わりはなかったんだ。 でも。 「やっぱり、悔しいよ」 「澪?」 風が私の髪をさらった。右手で押さえる。 こういうこと全部仕組んだの。神様なんだろうか。 だったら、神様は意地悪だ。 私、こんなの要らなかった。 「律に触れないの、ホントに悔しいよ」 「澪……」 私は腕を組んでフェンスに乗せると、そこに顔を埋めた。もしかしたら泣いたかもしれない。 その泣き顔を、今は見られたくはなかった。 律にだけは見せていい泣き顔だけど。でも、ついさっき笑わせてもらっておいて、すぐ泣くなんて。そう思ったのだ。 律は何も言わなかった。私は顔を腕に埋めてたから、視界は真っ暗だったけど。でも、律も心なしか、静かに泣いてるのかなって思った。 私たち、どうも感傷的だ。 ちょっとのことで、簡単に泣いてしまう。 大人になったら、成長したら、泣かないなんて嘘だ。 神様の意地悪。 ■ 教室に戻ると、あり得ないほど声を掛けられた。 例えば、クラスメイトが骨折して学校にやってくると、クラス全員がその子に声を掛ける。 あれを彷彿させるように、私が教室に入ると、一気に私に近寄ってきて声を掛けてきたのだ。 一限目に出ていない私は、どうやら今やってきたと思われているらしい。 「秋山さんもう平気なの?」 「無理すんなよー」 怪我をしたり事故に遭ったりしたのは私じゃないのに。そう言いたかったけど、言う暇もないまま、私はたくさんの人から言葉をもらった。 労いもあったし、心配もあったし、限着つける言葉もあった。 でもどれもニュアンスは似通っていて、私にはどれも同じような言葉にしか聞こえなかった。 だからそれだけ、ちょっと煩わしいのも事実だったけど……ごめん皆。 共通してる、というか。分かったのは、どうやら律が事故に遭って一番辛いのは私だと完全に見透かされているということだった。 恋人同士だとバレてはないのだけど、私と律は二人でセットだと皆には思われている。 だから、その片方がいなくなっているというのは、残されたもう片方に多大なショックを与えていると思ったのだろう。 皆正解。私は、片方がいなくてすっごく辛いよ。 「やっぱり、私がいないと澪が落ち込むってこと、皆に伝わっちゃってるな」 皆に声を掛けられている間、律が後ろで耳打ちした。思わず反応しそうになるけどなんとか抑える。 皆には律の姿が見えない。だからここで反応しちゃうとおかしい。 私は皆の言葉に笑って答えた。ほとんどが、『大丈夫』だったけど。 最後に、唯とムギも近寄ってきた。 「澪ちゃん! 学校に来たんだね!」 唯が笑って言った。ムギも落ち着いて続ける。 「りっちゃんがあれだから、きっと澪ちゃん、学校に来れないだろうなって皆で話してたの。昨日も休んだから」 そりゃ、確かに。もし律が幽霊として現れず、寝たきりで私との交流が一切断たれていたら、学校になんか来ないでずっと家に引き籠ってたと思う。 でも、幽霊の律が現れて、私といろんな話をした。 だから、ちょっと悲しいけど安心したりしたから、なんとか学校に来れているんだ。 本当は、あんまり大丈夫でもないけど。 「あんまり休んでもあれだし……」 「無理はしないでね」 「うん。大丈夫」 もう、言い飽きたよ。 私は大丈夫。 律は、大丈夫じゃないけど。 ここでまた、律の姿が誰にも見えないことが私の胸を痛めだした。独占欲はあっても、やっぱり律が他の誰にも見えないのって、なんだか切ないよ。 自分の好きなものを誰にもわかってもらえないみたいな。そんな悔しさだってある。 私は、皆に声を掛けてもらえる。だって見えるんだから。 でも律は誰にも見えない。無視されちゃう。だって誰にも見えないんだから。 この差はなんなんだよ。別に、世界は私と律だけで作られてるわけじゃないのに。 世界の中の私一人と、一人ぼっちの律の差を、なんで神様は作っちゃったんだよ。 「これノート! 澪ちゃんの分を取りました!」 四日ぶりの自分の席に座ると、唯がまたやってきてノートを差し出しそう言った。 数学と古典、英語の三冊のノートだった。どうやら私が二日も休んだ分、ノートを取っていてくれたらしい。 「あ、ありがとう。助かるよ」 「えへへ、どういたしまして」 それじゃあね、と言って唯は席に戻って行った。横から律がぬっと覗きこむ。 律は一応物を持つことはできるけど、律の姿は他の誰にも見えない。 つまり、律が物を持ったら、他の人には『物が空中浮遊している』ように見えちゃうのだ。 だから私は、ノートを手に取ろうとした律を小さな声で止めた。 「あ、そっか。変だよな確かに」 迂闊に喋れなくて、私は律が反省する様に笑うのを見つめるだけだった。 どうしよう。学校に来たら、律との会話が窮屈でしかたない。 律の姿は誰にも見えないから、私が律と喋ってると、それはやっぱり私の独り言にしか見えないんだった。 今は皆、久しぶりに登校してきて、なおかつ律の事故にショックを受けている私を心配してくれている。 だから、迂闊にひとり言を見られると、さらにいろいろと言われてしまいそうだった。 こんな時もやっぱり、人の目が気になるんだな私。 情けない。 唯のノートを律と二人で見た。二人とも黙って覗きこむ。 普段はぼんやりしたり授業を真面目に聞いていない節のある唯だったけど、ちょっと真面目に書いていた。 ただそれでも落書きの多さが少し気になるが。律は吹き出した。 「唯のやつ、よくこんな落書きだらけのノート人に貸せるな」 「律も人のこと言えないだろ。お前のノートも落書きばっかじゃないか」 「私は人に貸さないから大丈夫なんだよ……って澪、喋ってるぞ」 「あっ」 私はバッと口元を押さえた。辺りを見渡す。今は休憩時間の騒がしい教室。 私はさっきほど目立ってはいないし、誰も私を見てはいないようだった。 別にひとり言ぐらいは怪しまれないだろうけど……でも、『明らかに誰かに言っている』と思われたらお終いだ。 不思議に思われるだけじゃ済まない。 私は急に恥ずかしくなった。 そして、それ以上に、律との会話に制限があるのに悔しさも覚えた。律とは話してたい。 確かに律が幽霊になったことに不安はあるけど、でも話してたら、律が傍にいることに対する安心もやっぱりあるから。 だから話してたいよ。 だけど、それもちょっと抑えなきゃいけないなんて。辛かった。 律に、あまり話し掛けるなって言うのも嫌なんだ。 やっぱりサボろうかな、授業。 「私がいると、邪魔かもな」 ノートに視線を落とした私に、律が小さく耳打ちした。それとほぼ同時に、和が近付いてきて声を掛けてくる。 私は、二人のどちらを見ればいいのかわからなかった。 「澪、大変だったわね」 だったって、まだ過去形じゃないけど。それよりも私は戸惑った。 律は今、私がいると邪魔かもって自分で言ったんだ。それに私は否定の言葉を投げかけてやりたかったのに。 でも、和が話し掛けてきたから。律の姿が見えないことが、また私を困らせる。いい加減にしてくれって思うのに。私は口を開けたり閉じたりした。 「あ、うん……そ、そうでもないよ」 とりあえず和に返事をした。 「そうでもないわけないでしょ。律が事故なんだから、澪が平気なわけないってわかってるのよ」 「うん……でも、悩んでも仕方ないし」 悩んで悩んで、うじうじして不安垂れて、律律言ってるのは誰だよ。 別に悩んでも仕方ないって、受け止めたわけでもないんだ。 律が事故に遭ったのは受け入れた。でも、律が幽霊になっちゃったのは、まだ不安だらけだよ。 不満だらけでもあるんだよ。 あとは他愛もない話をしただけだった。大抵同じようなことを言われた。 大丈夫? とか、よく学校に来れたねというような。もう聞かれ飽きた。ごめん。 「何かあったら言うのよ? なんでも力になるわ」 和は最後にそう言った。それは純粋にありがたかった。 結局、皆は私のことを心配してくれているんだ。煩わしいと思っても、やっぱり嬉しい。 だけどいろいろ重なりすぎて、その嬉しさが相殺されちゃってるだけなんだ……。 和が席に戻ると、いつの間にか律がいなかった。 と思ったら、床から出てきた。 「変なとこから出てくるなよ……」 「いや、私が近くにいたら和との会話を邪魔しちゃうと思ってさ」 「そんなこと、ないぞ」 あったかもしれないけど。 ちょうどよく授業の始まるチャイムが鳴って、先生が入ってきた。会話は止まる。 それから、授業中は筆談をした。 でも結局、私は満足なんてできなかった。 ■ その日の授業が終わって帰ろうとすると、唯とムギ、和に話しかけられた。 「お疲れ様澪ちゃん」 「りっちゃんがいなくて暇だったでしょう?」 実際私の隣に律はいるのだけど……とは言えなかった。だから、どちらかというより暇ではなくて忙しかった。 他人の視線を気にしたり筆談したり。気疲れしたぐらいだ。 それに、やっぱり精神的なものがくるから、それが体にも影響してる。 不安に思うことたくさんあるから、余計に疲れたって気になるんだ。 「そう、見えた?」 私は三人に聞き返した。 お疲れ様ってことは、やっぱり疲れてるように見えたってことだし、暇だったでしょうって言われたってことは、やっぱりそう見えるってことだ。 これでまた皆に心配を掛けることになる。 ……そしたら、皆私のことばっかり気にするようになって。 幽霊の律との会話できるタイミングが、減っちゃうのかもしれない。 皆に気に掛けられてありがたく思えない私が腹立たしい。普通、もっと喜ぶだろ。 なのに、私は……うるさいって思っちゃってるのかな。律との会話ができなくなることの方ばかり気にして、皆の声掛けを煩わしいだなんて……。 友達なのに。 こんな時まで、律のことばっかりだ。そりゃ、律は幼馴染で恋人だから、いっぱい心配しちゃうけど。 でも、友達の声掛けをそんな風に思ってるだなんて。最低だ。馬鹿澪。 「澪ちゃん?」 「あ、ごめん……うん、なんでもない。私、帰るよ」 「大丈夫?」 またそれ。 「大丈夫だよ。じゃ、また」 私は逃げるように教室を飛び出した。部室に顔を出したくはないし、知り合いには誰にも会いたくない。 私と律は一緒に、誰よりも早く校門の外に出た。 私は息切れしてたけど、付いてきていた律は普通だった。 だけど、ちょっとだけ悲しそうな顔をしていた。 歩きながら、律は言った。 「あーあ、なんかつまんねえなあ」 時刻は夕方で、私の影が道に伸びる。だけど、当然影は一つ。律の影はない。 オレンジ色の光が辺りを包む。妙に肌寒い風が吹いてて、誰もいなくて、世界には私だけなのかなと思うぐらい静かだった。 実際は律もいるけれど、影がないのが気になった。 「澪と全然話せねえじゃん」 「……私も、楽しくはなかった」 「だろー? 久しぶりに皆に会えたのは、まあよかったかもしれないけど……なんか窮屈だったなあ。やっぱり幽霊ってかなり大変だ」 「うん……」 律自身が、悟ったようにそんなことを言うので、私はちょっと面食らった。 同時に、幽霊の律と今後どんな風に生活していこうか、迷った。 学校に行くと窮屈で話せないし。結局学校をサボって家にいた方がいいんだろうか。 その方が、私と律にとっては好都合かもしれないけど……。 わからない。いろいろあってわかんないよ。 やっぱり、明日は学校行くのやめよう。 律が元に戻るまで、私は学校に行かない方がいい。皆だってそう思ってるんだ。律がいないのによく学校に来れたねって。 ってことは、律がいない秋山澪は学校に来れないほど落ち込んでるって思われてる。 だったら別に、休んだっていいじゃないか。 むしろそのほうが自然だ。今日学校に行ってたくさんの人に言葉をもらったのも、来ないと思ってた私が来たから。 だから、やっぱり休んだ方がいいんだと思う。……それは言い訳で、ただ単に律と話す時間が欲しいだけだろうけど。 私は地面を見つめて、独白のように言った。 「ねえ、律……明日学校、休――……」 隣に律がいないことに気付いた。 あれ、と思って振り返ると、律が無表情で立っていた。 どうやら立ち止まったことに気付かないで、私は一人で歩いていたらしい。 「どうしたんだよ、立ち止まって」 私は呆れたように律に近づいた。 けど。 律は喋っていた。 ――いや、口を動かしていた。 でも、声は聞こえなかった。 「――っ!」 鈍器で殴られたような衝撃が、全身を目まぐるしく駆け抜けた。 律に近づく足を止めた。 律は確かに、口を動かしていた。だけど、そこからは何も生まれていなかった。 耳には、律の声はまったく届いていなかった。 「……り、律? 冗談はやめろよな」 律は眉を寄せて、何かを力説した。 だけどやっぱり、声も何も聞こえなかった。 例えば、人が話している動画をミュートしたみたいに。 律は口を動かしているのに、聞こえなかった。 「う、嘘だろ?」 そんな。 ■ 律の声が、私に聞こえなくなった。 そして、私の声も、律には聞こえなくなった。 戻|TOP|Two of us第三話
https://w.atwiki.jp/japanesehiphop/pages/4442.html
Format Title Artist Label Model Number Release Press 7 JUST THE TWO OF US Kick a Show HMV RECORD SHOP HR7S136 2019/04/13 - Side Track Title Produce A 1 JUST THE TWO OF US SAM IS OHM B 2 接吻 SAM IS OHM ※RECORD STORE DAY 2019 PERTAIN CD AMAZON The Twelve Love